- ガス溶接技能講習を受ける予定があるけど、合格率を知りたい
- 実際の難易度や、講習の内容を把握しておきたい
可燃性があるガスや、酸素を用いた溶接作業を行うには、あらかじめ「ガス溶接技能講習」を修了しておく必要があります。
ガス溶接について知識や経験がない人にとっては、試験の合格率や難易度が気になるところです。
そこで本ページでは、ガス溶接技能講習の全容から、テストの難易度まで具体的に解説していきます。
ガス溶接技能講習とは
可燃性があるガスや、酸素を用いた溶接作業では、装置の扱い方や、作業手順を間違えてしまうと、爆発や火災の原因となります。
そのため、装置を扱う前にガス溶接技能講習を修了することが、労働安全衛生法という名の法律で決められています。
現場によっては、ガス溶接技能講習を修了せずに、新人に触らせることがありますが、法律に反する行為となります。
ちなみに、ガス溶接作業だけでなく、ガスによる切断や加熱作業の場合も、ガス溶接技能講習を修了する必要があります。
講習の日程は、全日程で2日間で、講習の科目は次のとおりです。
講習科目 | 時間 | |
---|---|---|
1日目:学科 | 設備の構造・取扱いの知識 | 4h |
可燃性ガス及び酸素の知識 | 3h | |
関係法令 | 1h | |
学科試験 | 1h | |
2日目:実技 | ガス溶接等の設備の取扱い | 5h |
初日と2日目の講習について、順番にお伝えしていきます。
1日目:座学と学科試験
1日目は、ガス溶接に関する講習を受けた後に、学科試験があります。
講習の科目は、大きくわけて3つあり、合計で8時間受講します。
8時間の講習を受講した後に、内容を把握できているか確認するためのテストがあります。
3つの科目から出題され、合計で6割以上の点数を取る必要があります。
また、それぞれの科目について、4割以上の点数を取る必要があるので、注意が必要です。
2日目:実技講習
2日目の実技試験では、実際に受講者がガス溶接機に触り、業務を想定して作業を行います。
教習所によって異なりますが、主な内容は次のとおりです。
・午前中⇒ガスボンベ器具の取り扱い
・午後⇒10mmほどの鉄板の切断、薄板の溶接
実技に関しては、合否が出るようなテストは出題されません。
手順に沿ってガス溶接機からガスを発生させ、汚くてもよいので、溶接と溶断ができたら落ちることはありません。
ガス溶接技能講習のテスト合格率は98%
ガス溶接技能講習では、実技試験はないため、学科試験で合否が決定します。
学科試験では、真面目に講習を受けていれば、98%以上の人が合格できるます。
なぜなら、テストで出題される範囲を、講師がピンポイントで教えてくれるためです。
テストはマークシート形式で、4択の中から1つ正しい選択肢を選ぶ形ですが、講習を真面目に聞いていれば難しくはありません。
問題数は25問なので、6割以上が合格ラインであることを考えると、15問だけ正解すれば良いことを考えると、簡単な試験といえるでしょう。
なお学科試験に不合格となると、追試験のチャンスがある場合と、受講料を払い直して再受験が必要なケースがあります。
学科試験のテストの点数が足らない場合は、教習所によって、その後の対応が異なってきます。
ガス溶接技能講習に不合格で落ちる人の特徴
ガス溶接技能講習は、ほとんどの人が合格していきますが、不合格になる人も一定数います。
ここでは、講習に不合格となるパターンをお伝えしていきます。
講習に遅刻する
不合格となる最も多いパターンです。
ガス溶接技能講習は、テストで合格点を取るだけでなく、「科目を受講する時間」そのものが修了する条件となっています。
遅刻して講習を受講できないと、修了の条件を満たすことができないため、不合格となります。
10分程度の遅刻であれば、見逃してもらえるかもしれませんが、遅刻は厳禁と考えておくとよいです。
講習中に居眠りして学科試験の点数が取れない
初日の講習では、ガス溶接に関する知識について、ひたすら座学を行います。
特に身体を動かす仕事をしている方は、ひたすら座りながら受講することが、退屈であり眠くもなります。
ただし、講習中に居眠りしてしまっては、テストで出題される範囲が分からなくなり、点数が取れません。
テストの内容は簡単ですが、専門知識が問われるので、講習を聞いていなければ合格点を取ることが難しいです。
スムーズに合格するコツは、講習を真面目に聞くことが全てなので、居眠りだけは気をつける必要があります。
まとめ
本ページでは、ガス溶接技能講習の全容から、テストの合格率、不合格となる人の特徴までお伝えしてきました。
テストがあるのは、学科試験だけであり、講習の真面目に受講していれば合格点を取ることが簡単です。
逆の言い方をすると、講習で居眠りしてしまったり、スマホを触ったりして聞いていなかったら、合格点を取るのが一気に難しくなります。
ガス溶接技能講習では、実際のガス溶接作業で大切なことがピンポイントで把握できるので、しっかりと内容を吸収して、実作業にも役立てていきましょう。