小型移動式クレーンの実技試験 PR

小型移動式クレーンの実技試験は難しい!合図と手順を徹底解説!

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『小型移動式クレーンの技能講習を受ける予定があるけれど、内容をよく知りたい』
『実技試験が難しいって聞いたけれど、コツがあれば知りたい』
『合格率ってぶっちゃけどのくらいなの?』

小型移動式クレーンは、運送業界や建築業界で働く一部の人にとっては、必須の資格といえます。

資格をとるためには、技能講習を受ける必要があるのですが、実技試験が難しいと感じる人がいるのです。

そこで本記事では、これから講習を受ける予定がある方に対して、全体の流れや試験の合格率、実技試験のコツまで解説していきます。

この記事を読むことで、試験に対する不明点を解消できて、スムーズに合格することができるようになります。

小型移動式クレーンとは

まずはじめに、小型移動式クレーンの定義について説明します。

小型移動式クレーンとは、吊り上げ荷重が5トン未満の移動式クレーンのことです。

運送業界や建築業界で最もよく使用されており、『ユニック』と呼ばれることで知られています。

ユニックを操作するためには、労働安全衛生法に基づいた小型移動式クレーン技能講習を受講する必要があります。

小型移動式クレーンを『ユニック』と呼ぶ理由って?

 

日本国内における小型移動式クレーンは、『古川ユニック』と呼ぶ株式会社のクレーンがほとんどであるため、ユニックといった愛称が広まりました。

小型移動式クレーン技能講習の講習時間は?

講習時間は、事前に持っている資格によって、人それぞれ異なってきます。

『16時間』・『17時間』・『19時間』『20時間』の3つのパターンにわかれます。

大多数の方は、16時間コースに当てはまるようです。

16時間コースの方が持つ資格

  • クレーン・デリック・揚貨装置運転士免許取得者
  • 玉掛け又は床上操作式クレーン運転技能講習修了者

17時間コースの方が持つ資格

  • 車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習修了者。
  • 建設機械施工技士1級・2級の第2種又は第6種合格者。

19時間コースの方が持つ資格

小型移動式クレーン、クレーン等の特別教育修了後、業務経験が6ヶ月以上ある方

20時間コースの方が持つ資格

上記の資格を持っていない方

小型移動式クレーン技能講習の全体の流れは?

講習は、全体で3日間となります。

以下から、それぞれの日程における内容を解説していきます。

初日は座学

初日は、8時間を使ってひたすら講義を聞き続けます。

  • 小型移動式クレーンの知識 6時間
  • 原動機および電気の知識 2時間

普段の仕事において身体を使っている方は、ひたすら座学なので、眠くなってしまうと思います。

ですが、講義を聞いておかないと2日目の学科試験で、点数を取ることができません。

講師は、『ここが出題されます!』とピンポイントで出題される場所を教えてくれるので、配られるテキストにマークする必要があります。

2日目 学科試験

2日目は、座学が終わったあとに学科試験があります。

  • 原動機および電気の知識 2時間
  • 関係法令 1時間
  • 力学の知識 1時間
  • 学科試験 1時間

学科試験のテストの方式は、マークシート形式で、選択肢から正しいものを選び出す形となっています。

合格点は100点満点中で、60点が必要です。

点数が足らない人は、居残りで講義を受けた後に、再試験を受ける必要があります。

3日目 実技試験

3日目の最後には、実技試験があります。

  • 運転のための合図 1時間
  • 移動式クレーンの運転 6時間
  • 実技試験 1時間

なお、有資格者で16時間の講習の方は、『力学の知識』と『運転のための合図』が免除となります。

小型移動式クレーンの実技試験は難しい!3日目の流れをくわしく解説!

実技試験がある3日目のくわしい流れは、次のとおりです。

  1. 車両と積み荷を用いた講義(午前)
  2. 荷の水平移動と荷ブレを防ぐ操作方法の説明(午前)
  3. 実技試験のコースでの練習(午後)
  4. 実技試験本番(午後)

以下から、各項目の説明をしていきます。

車両と積み荷を用いた講義(午前)

3日目の最初は、実車を用いて次の内容の講習が行われます。

・操作に必要な合図について(ブーム伸縮・起伏・巻上げ巻下げ・旋回・停止)

・危険予防  (周囲安全の確認・各部点検・急操作の危険性・地切りの確認)

・セッテイング(アウトリガー張り出し、伸ばし量の調整)

・各レバーの役割と操作方法

・荷重計・ブーム角度計の見方

・声出し確認

・フックへのワイヤーの掛け方

しっかり講習を聞いておくことで、スムーズにクレーンが触れるようになります。

荷の水平移動と荷ブレを防ぐ操作方法の説明(午前)

実際にひとりずつクレーンを操作して、荷を水平移動させたり、荷ブレを防ぐ方法を学びます。

実技試験のコースでの練習(午後)

扇状に並べられた障害物をブームの起伏・旋回・巻上げ巻下げをしながら、通過させる操作方法を学びます。

これを一人ずつ順番に何回か行います。

実技試験本番(午後)

制限時間が12分間の中で、決められたコースに沿って、吊り荷をクレーンで運搬します。

小型移動式クレーンの実技試験のコツ!

旋回時の荷振れ、起伏時の縦揺れなどの修正、遅すぎる巻き上げ速度でタイムロスや危険を招くことがあるので、よく考えてレバー操作をしましょう。

以下から、大事なポイントにしぼって、コツを解説していきます。

クレーンの操作方法について

最も大切なことは、次の3点です。

・急なレバー操作をしないこと(特に動き出しと止る時)

・吊り荷が定位置に安定して止るまで操作レバーは離さないこと

・車体やアウトリガーに体を添わせてわずかな傾きを察知する

急なレバー操作は、事故の原因となります。

また、定位置に安定する前に操作レバーを離してしまうと、荷が安定しなくなります。

さらに、クレーンの傾きは、目視だけでは分からないことがあるため、体を添わせることで正確な判断が可能となるのです。

荷振れ・縦揺れ時の対応

荷振れを抑える最大のコツは、次のとおりです。

・最大の振れ幅になる直前に同方向にゆっくりインチング(寸動)させる

慣れないうちは大変ですが、一度コツをつかむと簡単に荷ブレ・縦揺れを止めることができます。

巻き上げ時

エンジンアイドリング状態で操作すると、少し遅めに巻き上げられるので、講師の模範運転と同じくらいのエンジン音になる位にレバーを操作すると良いです。

操作レバーは押し引きの量に応じエンジン回転数が自動的に上下する構造となっています。

そのため、レバーの操作は、旋回・起伏時にやると非常に危険なので、避けておくべきです。

小型移動式クレーンの実技試験の合図と手順

最初の車両の状態は、アウトリガーが最大張り出し済みで、積み荷が荷台に積載されています。

ワイヤー3本は、フックに緩く掛けてあって、ブームは、必要な角度と伸ばし位置に設定されています。

おおまかな手順は、次のステップです。

 

  1. 各部の声出し確認
  2. コース運転
  3. 作業終了の声出し確認

 

以下から、各ステップについて解説していきます。

各部の声出し確認

順番としては、次のとおりです。

確認する点はたくさんありますが、練習することで覚えることができます。

 

  1. アウトリガーよし
  2. タイヤよし
  3. 車体下部 油漏れ、水漏れよし
  4. 作業装置 ブーム、ワイヤーよし
  5. 吊り荷  質量よし
  6. 微動巻上げでワイヤーを張り「玉掛ワイヤーよし」
  7. 微動巻上げで10センチほど上げて「地切りよし」
  8. 荷重計を確認して「質量よし」
  9. 運行経路を確認して「運行経路よし」
  10. 定格荷重表記を確認して「作業半径よし」

 

以上の合図をして、クレーンを操作する準備が整います。

コース運転

同心扇状の各所に荷を収める枠があり、巻上げ下げ、ブームの起伏、旋回を使って
障害物、高い位置のバーなどを回避しながら5カ所くらいの指定の位置に荷を収めて
行きます。

制限時間は12分間で、各枠内に決められた高さで収める必要があります。

また、離れた枠にはブームの起伏と巻上げ下げを繰り返して移動させます。

最後は、荷台に荷を着床させて終了です。

作業終了の声出し確認

荷を着床させたら、各部の声出し確認を行います。

 

  1. 巻下げでワイヤーを緩め、「ワイヤーよし」
  2. 操作レバーの中立位置を確認し「レバーよし」

 

以上のような流れになります。

小型移動式クレーンの実技試験で気をつけるべき点

実技試験にスムーズに合格する上で、気をつけた方が良い点をピックアップしました。

服装はどんなのがいいの?

屋内、屋外どちらでやるにしても、夏の暑さや冬の寒さは身にこたえます。

最適な服を着て行きましょう。

ヘルメット・安全靴はいるの?

車両と荷は重くて固い鉄やコンクリートの塊です。

万が一のけがをしないように必ず持って行きましょう。

貸してくれるところもあるので、持っていない方は教習所に確認してみてください。

手袋はどんなの?

ワイヤーを触ったりするので、薄手の革手袋などが望ましいです。

飲み物・弁当は必要?

受付時に注文をとり、弁当を用意してくれる会場もありますが、会場によってクォリティが低かったりします。

まずい弁当は絶対に食べたくない方は、自分で食べ物を用意しましょう。

また、工場地帯のど真ん中で近くにコンビニがない所もあるので、事前に会場の場所を確認しておくのがおすすめです。

不合格者はいるの?

「落とす試験ではない」というのをいいことに、騒いだり講師の話を聞かなかったりして、大勢の前で叱られ不合格になった方を見たことがあります。

また力学や保守点検、事故事例などの知識がないまま試験を受けたり現場で作業することは、とても危険です。

退屈な内容で眠くなったりするのはわかりますが、しっかり話を聞いて学んだほうがよいです。

遅刻してしまったら?

これをやってしまうと不合格です。

真面目に受講すれば合格できるのですから、時間に余裕を持って出発しましょう。

まとめ

本記事では、小型移動式クレーン技能講習の全体の流れから、実技試験のコツまで解説してきました。

簡単な試験と言われますが、3日間で気を抜いてよい瞬間はあまりなくて、真面目に受講することが大事になります。

真面目に受講さえすれば、合格できる人がほとんどですので、遅刻だけは気をつけてくださいね。

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。