『玉掛けの合図で、気をつける点を知っておきたい』
『玉掛け技能講習の資格を取る上で、正しい合図ができるか不安』
『手を使った正しい合図について、もう一度確かめておきたい』
『クレーン運転者に正しく伝えるには、どうすればいいの?』
玉掛け作業では、荷のバランスを見て正しく吊り上げることも必要ですが、適切な合図を伝えることも大切になります。
そこで本記事では、玉掛けの合図について不安なあなたに対して、ポイントとなる点と具体的な方法を解説していきます。
この記事を読むことで、玉掛けの合図について理解できて、現場でも役立たてることができます。
玉掛けの合図の注意点
玉掛けとは、正確に定義すると、荷に吊るための器具を装着したり、吊り上げた荷物を解いたいりする一連の作業を指します。
玉掛け適切に行われていないと、荷物が崩れて事故の原因になります。
玉掛け作業の合図とは、作業員がクレーン運転者に対して、クレーンを適切な位置へ移動させるために行います。
注意すべき点は、クレーン運転者に対して合図して良い者は、『1人』であることです。
2人以上になると、伝達ミスの可能性が増えるので、1人にしています。
合図をするにあたっては、講習を受けたり資格を取る必要はありませんが、しっかりわかっていないと、とても危険であるといえます。
現場によって合図は異なる?
実際の現場によっては、合図の方法が微妙に異なることがあります。
事故につながる原因のひとつであるため、現場に入る前によく確認しておく必要があります。
特に日替わりで現場を変わる作業員が、新しい現場で合図を理解することができず、大きな事故を引き起こすことがあります。
玉掛け技能講習では合図が重要
玉掛けの資格の試験では、学科試験と実技試験の両方があり、実技試験で合図のテストがあります。
試験においては、適切なタイミングで正しい合図を出すことが必要です。
仮に、事故につながるような間違った合図をしてしまうと、大幅な減点になり不合格となる可能性が高まります。
玉掛けの実技試験に一発で合格する方法については、以下の記事でくわしく解説しています。
手を使った基本的な合図
玉掛け作業時における合図は、手・笛・旗・声による方法があります。
ここでは、最も基本となる手の合図について、くわしくお伝えしていきます。
代表的な合図の例は、以下のとおりです。
- 呼び出し
- 位置の指示
- 巻き上げ・巻き下げ
- 水平移動
- 微動
- 停止・急停止
- 作業完了
他にもいろいろな合図がありますが、上記は最もよく使うものになります。
以下から、よく使う合図について、それぞれくわしく解説していきます。
呼び出し
クレーン運転者がはっきり分かるように、手を高く上げるのがポイントです。
手を上げたときに、肘が曲がっていたり、指先がピンと伸びていないと、クレーン運転者が誤って合図を理解してしまうことにつながります。
位置の指示
ポイントは、指示する位置の近くの場所までいき、指で合図することです。
位置を指定する合図にも関わらず、離れた場所で行ってしまうと、クレーン運転者が間違えることにつながります。
また、合図をするときには、人差し指をピンと伸ばして、はっきりと位置を示しましょう。
巻き上げと巻下げ
巻き上げとは、荷物を吊っているワイヤーを巻き上げる作業を指します。
片手を上に上げ、ぐるぐると円を描くように合図します。
クレーン運転者がひと目で分かるように、大きな動作でぐるぐる回すと、なお伝わりやすいです。
巻き下げとは、巻き上げとは反対で、ワイヤーをゆっくりと巻いて荷物を下げることを指します。
合図の動作としては、腕を水平にして手のひらを下にして、下方に振ります。
上からおさえつけるようなイメージで、クレーンのゆっくりな動きに合わせて、手を振るのがポイントです。
水平移動
クレーンを走行、横行、旋回させるときに使用する合図です。
腕を見やすい位置に伸ばして、手のひらを移動する方向に向けて、数回動かすのがポイントです。
微動
文字のとおりに少しだけクレーンを動かす合図ですが、現場や業種によって、合図の方法が異なることがあります。
図は建設業のケースであることに、注意して下さい。
はじめに、両手で間隔を指示した後に、巻き上げと巻き下げの合図を行います。
停止と急停止
玉掛け作業の最中において、突発的なトラブルなどで、クレーンを停止させるときに使います。
停止の合図は、手のひらを高くあげます。
急停止は、非常事態において、いち早くとめるための合図です。
両手を高く上げて、激しく左右に大きく振るのがポイントです。
作業終了
作業終了時に行う合図ですが、最も忘れやすい合図のひとつです。
忘れてしまうと、思いもよらない事故につながるので、注意しましょう。
合図の方法は、頭の横に手を置く敬礼と、両手を頭の上で交差させる方法があります。
正確に合図を送るコツ
玉掛け作業において、クレーン運転者に対して正確な合図を送るには、いくつかポイントがあります。
中でも、最も重要な2点について、お伝えしていきます。
キビキビと動作する
それぞれの合図をするときに、キビキビとした動作をすることが大切です。
クレーン運転者は、作業をするときに、クレーンや周りの障害物など、さまざまな点に注意を送っています。
そのため、玉掛け作業者の方を少し見ただけで、スグにどの合図か分かるようにしておくことが大切です。
そのためにも、キビキビと動作して、ポイントを抑えた正確な合図を送ることが重要になります。
相手の見える場所で合図する
キビキビと動作したり、正確な合図を送ったとしても、クレーン運転者の視界の中にいなければ意味がありません。
そのため、クレーン運転者の視点を考えて、見えやすい位置で合図することが大切です。
次々と合図をする中で、クレーンの動きに注目し続けるのは大変ですが、どの程度意識できるかによって、合図者の質をわけるポイントになるといえます。
まとめ
本記事では、玉掛け作業者の合図の注意点から、基本的な合図の方法まで解説しました。
クレーン運転者に合図するのは、各現場で『1人』で、運転者から見えやすい位置で合図することが大切です。
また、合図をするときは、各動作を大きくキビキビと行い、伝わりやすいように心がけることが重要になります。