・『玉掛け免許の資格を取りたいけど、費用が具体的に知りたい』
・『免許を取るにはどんな手続をすればいいの?』
・『講習の内容について把握しておきたい』
・『玉掛け技能講習の難易度は?落ちる人はいるの?』
玉掛けの資格を受ける人は、上記に疑問ももつことがありますが、まとまった情報を見つけるのが難しいです。
そこで本記事では、実際の講習の内容から、資格取得の費用と試験の合格率まで解説していきます。
この記事を読むことで、玉掛けの資格取得に関する疑問点を解消できて、スムーズに合格する方法まで理解できます。
玉掛けの資格とは
玉掛けの資格の正式名称は、『玉掛け技能講習修了』です。
適切な方法で玉掛けをしないと、怪我や事故につながることがあるので、国家資格として取得が義務付けられています。
クレーンの資格を持っていたら、必要がないと思う人もいるかもしれません。
ですが、玉掛け作業をする場合は、玉掛けの免許も取る必要があります。
また、就職や転職する場合の履歴書に書くことができる資格でもあり、持っているだけで可能性が広がります。
講習の内容と流れ
講習の内容は、1日目と2日めが学科試験で、3日目が実技試験になります。
以下から、各日程の内容について、日にちごとにわけてくわしくお伝えします。
一日目:講習
1日目は、玉掛けに必要な知識に関する講習を受けます。
- クレーン等に関連する知識
- 関係法令
- 玉掛けの方法
- 力学に関する知識
玉掛けに関連するさまざまな知識の講習を受けます。
メモをしっかりとっていくことで、学科試験でスムーズに回答できます。
*時間帯の目安は、朝の9時前から夕方の4時くらいまでです。
2日目:講習と学科試験
2日目は、玉掛けの知識と学科試験を受けます。
- 玉掛けの方法
- 学科修了試験
朝の9時くらいがスタートで、夕方の3時くらいまで前日の講習の続きを受けます。
3時半から4時くらいに学科試験がスタートします。
回答が終わった人から帰ることができます。
試験時間は十分にありますが、早い人だと10分くらいで終わる内容の試験です。
*時間帯の目安は、朝9時くらいから夕方の4時前くらいです
3日目:実技試験
3日目は、実技試験に関する講習を受けます。
- 質量目測
- 玉掛け用具の選定・使用
- 玉掛けの応用・合図
- 実技修了試験
3日目は、実技試験に向けて、朝から玉掛けの実習を行います。
笛と手を用いて適切なタイミングで合図して、玉掛けをするのが求められます。
また、物体の重さを目視でおおよそ判断する『質量目測』や、ワイヤーロープの選定法に関するテストもあります。
当日の受ける人数によって異なりますが、1、2日目より終わるのが遅くなることがあります。
*時間帯の目安は、朝9時から夕方の4時半くらいまでです
持っている資格によって一部科目が免除
玉掛け技能講習は、事前に持っている資格によって、一部の科目が免除になります。
以下から、免除になるパターンについて、くわしく解説します。
実務経験者
『実務経験者』は、次に当てはまる人のことです。
- クレーンなどで、つり上げ荷重が1トン以上の玉掛けの補助作業の業務に、6ヶ月以上ついた経験がある人
- つり上げ荷重が1トン未満のクレーンなどの玉掛け業務に6ヶ月以上ついた経験がある人
自分が当てはまるかはっきり分からない人は、受けようと思っている試験会場に問い合わせましょう。
一般者で各資格を持っている
一般者とは、実務経験者でない人のことを指します。
一般者であっても、次の資格を持っていると、科目の免除を受けることができます。
- クレーン運転士免許
- 移動式クレーン運転士等免許
- デリック運転士免許
- 揚貸装置運転士免許
- 床上操作式クレーン運転技能講習を修了
- 小型移動式クレーン運転技能講習を修了
免除の科目は、『力学に関する知識』と『運転のための合図』になります。
そのため資格を持っている人は、2日目の学科試験の日程で、半日だけ講習を受けるだけでよいです。
資格取得の費用は?
玉掛け技能講習を受ける場所によって、費用は異なってきます。
大体の目安としては、合計で1万5千円から2万5千円になります。
例として、表1に社団法人の日本クレーン協会での受講料をお伝えします。
表1 社団法人日本クレーン協会の受講料
受講料 | テキスト代 | 合計 | |
実務経験者 | 13700円(税込) | 1,645円(税込) | 15,345円(税込) |
一般者 | 15,800円(税込) | 1,645円(税込) | 17,445円(税込) |
料金を安くするコツ
受講料は、決まった値段なので、安くすることがでません。
ですが、テキスト代は、ブックオフやネットなどで激安で売っていることがあります。
そのため、テキストを事前に用意することで、料金を少し安くすることが可能です。
ただし、講習を受ける会場によっては、テキストの購入が必要となることもあるので、事前に確認するのが必要です。
玉掛け技能講習に不合格になった場合の費用は?
玉掛け技能講習は、落ちる人は少ない試験ですが、点数が足らなかったり、遅刻したりすると不合格になります。
再受講料の金額は、場所によってバラバラですが、正規の受講料の約3分の1程度が目安となります。
ただし、安い料金で再試験を受けれる期間、技能講習終了後の2ヶ月以内が目安となります。
2ヶ月以降になると、受講料を全額払い直す必要があります。
玉掛け免許の取り方は?
資格取得のための最初の手続きは、各都道府県の『労働局長登録教習機関』に、申し込むところから始まります。
『労働局長登録教習機関』には、クレーン協会や、労働技能講習センター、教習所などがあります。
どこで講習を受けても、同じ玉掛け免許をとることができるので、住んでいるところから近いところを調べて受けるとよいです。
修了証が発行されるまでの流れ
まずはじめに、教習所に連絡をして、受講の手続きを行います。
手続きを行い、受講票を郵送することで、講習を受ける準備が整います。
費用を支払うタイミングは、手続きの最中にあるため、前もって準備をしておく必要があります。
講習を受けて、学科試験と実技試験の両方に合格すると、最後に修了証が交付されます。
学科試験と実技試験の会場はどこ?
例えば、玉掛け講習を『クレーン協会』で受ける場合は、支部があることろで受講します。
ほとんどの会場では、学科試験と実技試験は同じ場所で行われますが、まれに異なることがあるため注意が必要です。
会場を間違えてしまったら、試験を受け直す必要があります。
ですので、事前に受講票の1日目の欄をよく確認して、会場を間違えないようにしましょう。
玉掛け技能講習の難易度について【落ちる人はいるの?】
玉掛け免許の難易度は、講習を受ける会場によって異なります。
ほとんど全員を合格させる教習所がある一方で、一定数の不合格者を出すところもあります。
ですが、そこまで心配する必要はありません。
基本的なスタンスとしては、『落とすための試験』ではなくて、『受からせるための試験』です。
学科試験は、しっかり講習を聞いて、必要なメモを取っていれば合格点を取ることができます。
実技試験は、事前の練習にしっかり取り組んで、本番で焦り過ぎければスムーズに合格可能です。
まとめ
本記事では、玉掛け講習の流れから、具体的費用、実際の難易度まで解説しました。
1、2日目が学科試験のための講習で、3日目が実技試験に向けた内容になります。
料金としては、平均すると税込みで2万円程度となります。
また、試験の難易度は教習所によって変わりますが、真面目に取り組んでいれば合格可能です。
この記事が、あなたの玉掛け免許の取得について、役立てることができたら幸いです。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。