◆フォークリフト免許を取る予定があるけれど、学科試験について知りたい
◆新しい知識を覚えるのが苦手で、点数を取れるか心配
◆1日目の座学で寝てしまって、講義を聞いていなかった。聞き逃したところを知りたい
フォークリフト免許の学科試験は、国家資格の中では、簡単なテストと言われます。
ですが、簡単とはいっても国家資格であるため、定められた点数を取れないと追試になります。
追試になると、余分に講義を受けたり再試験を受けたりする必要があり、手間がかかります。
また、追試に落ちると失格となって、受講料を払い直さなければいけません。
そこで本記事では、学科試験を一発で合格したいあなたに対して、出題されやすい知識から実際の過去問をネタバレしていきます。
この記事を読んで理解することで、学科試験に一発で合格することができます。
フォークリフト免許の学科試験とは
まずはじめに、学科試験の概要をお伝えします。
試験は、1日目の座学が終わった夕方から始まります。
試験問題の分野は4つあり、配点と問題数は表1のとおりです。
表1 学科試験の出題分野と配点
走行に関する知識 | 30点 | 15問 |
荷役に関する知識 | 30点 | 15問 |
力学に関する知識 | 20点 | 10問 |
法令に関する知識 | 20点 | 10門 |
合格するためには、合計で60点以上取る必要があります。
また、それぞれの科目で最低4割の点数を取っておく必要があります。
なので、『走行』と『荷役』が満点で60点取れていても、『力学』と『法令』が0点だと不合格となります。
(☆ 普通自動車運転免許を持っている方は、『走行に関する知識』が免除されて70点満点となります。)
試験の方式はマークシート形式で、問題文を読んで4択の中から正しいものをひとつ選び出す必要があります。
昔は2択から選ぶ単純なテストでしたが、あまりにも簡単過ぎるのが問題となり、4択になった経緯があります。
4択になったことで、学科試験で点数を取れない人が増えて、合格率が下がりました。
マークシート試験には鉛筆と、跡が残らないようにちゃんと消える消しゴムが必要となります。
テストの回答が終わったら、退室することができて、全員が終わるのを待ちます。
全員が終わって10分くらいで、合否が発表されます。
合格者はそのまま帰宅する流れとなり、不合格者は個別に補講と追試があります。
出題される点をピンポイントで教えてくれる
フォークリフト免許の試験では、高いレベルの知識が問われるわけではありません。
ですが、講義を聞いていないと、全く点数を取ることができない内容です。
教習所の講師は、学科試験に出るポイントを教えてくれるので、テキストにマーカーを引いていきましょう。
『ここにチェックを入れて下さい』
と言ったポイントは、テストにそのまま出題されます。
なので、マーカーを引いた場所だけ覚えておくだけで、簡単に合格点を取ることができます。
ひたすら講義を聞くだけなので、ものすごく眠くなってしまうのですが、我慢して出題ポイントを聞き逃さないことが最も大切です。
マークシート形式で気をつけるべき点
マークシートのテストを受けるのは、学校や普通免許のテスト以来の人がほとんどです。
なので、講師の指示をしっかり聞いて、受験番号や自分の名前を書き間違えないように注意して下さい。
また、マークシートへの記入で最も多いミスは、問題文を飛ばして塗りつぶしをしてしまうことです。
もし間違いに気づいたら、焦らずに消しゴムでしっかり消しましょう。
消し残りがあると、機械がご判定する原因となります。
試験の時間は十分に用意されているので、大幅にズレていても、修正する時間はたっぷりあります。
出題されやすい問題文のパターン
出題されるパターンは、『誤ったものを4つの中から1つ選びなさい』といった形が多いです。
難しいと感じる人もいますが、明らかに間違いであるとわかる選択肢も含まれているので、比較的解きやすいテストです。
【出題例】
Q.フォークリフトの各部分の安全係数で誤ったものを1つ選びなさい
- リフトチェーンの安全係数は5である
- ヘッドガードの安全係数は2である
- フォークの安全係数は3である
- バックレストの安全係数は2である
【答え】④
※安全係数とは、フォークリフトの各部について安全を示す数値のこと
上記は比較的簡単な問題ですが、中には引っ掛け問題のようなものもあり、正確な知識が問われることがあります。
問題文は、それぞれの教習所が独自で作るので、難易度にバラツキがあります。
ですが、ほとんどの問題は、講義をしっかり聞いておけば、迷うことがなく正解が分かります。
フォークリフト運転技能講習の過去問ネタバレ!
フォークリフト免許の試験問題は、教習所によって異なります。
ですが、免許は国家資格であるため、出題される問題がある程度共通しています。
また、フォークリフトで必要となる知識は、昔からほとんど変わっていないので、過去問がとても参考になります。
以下から、実際に過去問として出題された問題を、くわしく解説していきます。
試験に自信がない方は、ぜひ参考にして下さい。
フォークリフトと公道について
フォークリフトが、公道で走れる条件について、よく出題されます。
以下の条件を覚えておけばOKです。
■ 公道で走るには、ナンバープレートをつければ走行可能です
また公道では、許可なく荷物の積み下ろしができないことも、あわせて記憶しておきましょう。
フォークリフトの資格について
フォークリフト技能講習の資格を持っていると、何トンまで運転して大丈夫なのか問われます。
以下の知識を頭に入れておきましょう。
■技能講習の資格を持っていたら、何トンのフォークリフトでも運転可能です
ただし、技能講習ではなくて特別教育だけだと、1トン未満しか運転できません。
工場の敷地内における免許なしの運転について
工場の敷地内であったら、フォークリフトの免許がなくても、走行して大丈夫なのか問われます。
■フォークリフトの免許がなかったら、工場内でも運転できません
ただし、フォークリフトの免許を持っていれば、普通自動車免許を持っていなくても、工場内で運転可能です。
フォークリフトに義務付けられている装置について
フォークリフトに取り付けが義務化されている装置について、知識が問われます。
■”走行を制御する装置“と”停止の状態を保持する装置“の取り付けが義務化されています。
クラクションを鳴らす装置は義務化されていないので、あわせて覚えていきましょう。
フォークリフトの爪の安全係数について
必ず出題される問題です。
安全係数とは、法律で定められて安全の値ですが、難しく考えないで素直に暗記してきましょう。
■フォークリフトの安全係数は3以上と定められています
また、フォークリフトを運転する前に、以下の確認が必要なことも覚えておくとよいです。
- 爪に亀裂が入っていないか
- 爪を1メートルくらい上げて、水平であることをチェック
フォークリフトのヘッドガードの強度について
フォークリフトの屋根の部分である「ヘッドガード」について、強度に関する問題が出題されます。
■フォークリフトのヘッドカードの強度は、フォークリフトの最大荷重の2倍です
最大荷重とは、簡単に説明すると、荷をバランスよくしたときに持てる荷物の最大の重さのことです。
難しく考えないで、強度が2倍であることを覚えていきましょう。
特別教育および技能講習修了証について
本籍や氏名が変わったときに、やるべきことについて、必ず出題されます。
■本籍と氏名が変わる場合は、修了証の書換(かきかえ)を行う必要があります。
また修了証を紛失した場合は、修了証の再交付を行う必要があることも、あわせて覚えておくと良いです。
よく出題される過去問題集~覚えて損はない知識
出題されることが多い『フォークリフトに関する知識』について、過去問題集をお伝えしていきます。
丸暗記するだけで点数が取れてしまうので、ぜひチェックしてみて下さい。
出題されるところを空欄にしておきました。
回答は、すぐ下に記載してあります。
フォークリフトの基礎知識編
フォークリフトについて
『フォークリフトとは、荷物を積載する①( )とフォークを上昇させる②( )を備えた運搬用機械です。』
空欄に入る語句は以下のとおりです。
①フォーク ②マスト
フォークリフトの長さについて
『①( )とは、フォーク垂直前面からフォークの先端までの長さのことを指します。』
空欄に入る語句は以下のとおりです。
①フォークの長さ
フォークリフトの最大揚高(あげだか)について
『①( )とは、基準となる負荷がかかった状態から、フォークを最高位置に移動した場合、地面からフォーク水平部の上面までの高さを指します。』
空欄に入る語句は以下のとおりです。
①最大揚高
フォークリフトのティルト角について
『①( )とは、無負荷の状態からマスト(リフト前面部分の名称)を前傾に傾斜した場合、前方と後方への最大傾斜角を指します。』
空欄に入る語句は以下のとおりです。
①ティルト角
フォークリフトの基準荷重中心について
『①( )とはフォークリフトに積載した荷重(荷物の中心位置)の重心位置と、フォーク垂直前面との距離を指します。』
空欄に入る語句は以下のとおりです。
①基準荷重中心
原動機の知識編
①( )とは、ケースの中で2個の歯車が噛み合って回る構造指します。
また、②( )は、回路の圧力が規定以上になることで、自動的に弁が開く安全弁のことを指します。
空欄に入る語句は、以下のとおりです。
①ギヤーポンプ ②リリーフ弁
運転操作の基礎知識
フォークリフトを運転する場合は、積荷をしている荷が①( )しないことを確認する必要があります。
走行する際は、フォークを床下より②( )の位置にした状態で走行します。
空欄に入る語句は、以下のとおりです。
①荷崩れ ②15~20cm
点検・整備の基礎知識
フォークリフトの点検と整備の記録を保存する期間は、①( )です。
燃料などの交換は、メーカーの②( )または同等品を使用する必要があります。
空欄に入れる語句は以下のとおりです。
①3年間 ②指定の油脂
安全に関する基礎知識編
運転席での①( )乗りは、禁止されています。
上り坂は②( )で走行して、下り坂は③( )で走行する必要があります。
空欄に入れる語句は以下のとおりです。
①2人 ②前進 ③後進
力学に関する基礎知識編
力の三要素とは、①( )②( )③( )の3つです。
重心の位置は、物体をどのように置いたとしても④( ) 。
フォークリフトが旋回するときには、⑤( )が働くので注意が必要です。
空欄に入れる語句は、以下のとおりです。
①大きさ ②向き ③作用点 ④変わらない ⑤遠心力
法令に関する基礎知識
点検について
フォークリフトの定期自主検査は①( )と②( )があります。
また、フォークリフトの定期自主検査が終了した場合は、点検した記録を③( )年間保管する必要があります。
さらにフォークリフトを使用する場合は、使用前に必ず④( )をする必要があります。
空欄に入れる語句は、以下のとおりです。
①年次点検 ②月例点検 ③3 ④始業点検
荷物の積載について
荷物を積載するときは、①( )が生じないように積載する必要があります。
空欄に入れる語句は、以下のとおりです。
①偏荷重
フォークリフト免許の学科試験の合格率
テストの合格率は、99%に近いです。
なぜなら、点数が足らなくても補講が用意されているためです。
さらに、再試験に落ちたとしても、再々試験のチャンスが与えられることもあります。
とはいえ、簡単な資格とはいえ国家資格であるため、どうしても点数が足らないと不合格になります。
ですが、講義をしっかり聞いて、補講も真面目に受ければ、不合格とはなりません。
事前に出題されるところをピンポイントで教えてくれるので、マーカーでチェックしたとこだけ覚えていけば、簡単に合格点が取れるテストなのです。
フォークリフト学科試験で不合格となる人の特徴
学科試験で不合格となる1%は、次の3つのパターンが考えられます。
- 講義中に居眠り
- テスト時間に遅刻
- 再試験で不合格
考えられる不合格の要因は、上記の3つです。
以下から、順番に解説していきます。
講習中に居眠り
フォークリフト技能講習の学科は、多くの人にとっては久りぶりの座学なので、とても眠くなります。
居眠りしてしまうと、軽く注意されるケースがほとんどです。
とはいえ、厳しい教官のケースだと、2度、3度と注意が続くと、欠席扱いとなり不合格となります。
簡単な試験と言われることが多い資格ですが、国家資格であるため、厳しく判定されるケースもあるのです。
テスト時間に遅刻
教習所によっては、多少の遅刻は許されることが多いです。
ほとんどの教習所は、遅刻者に対して居残りの時間を作ってもらえます。
とはいえ、1日目の午後から始まるテストの時間に遅刻してしまうと、問題が流出した後であるため、試験を受けれなくなる可能性があります。
遅刻はもちろんのことですが、学科試験本番の時間には、必ず遅れてはいけません。
再試験で不合格
学科試験のテストで60点を取得できない方は、再試験となります。
再試験の前には、講師とマンツーマンで、もう1度出題範囲について講習を行います。
居残り講習を受けた後で、再試験に落ちてしまうと、当然ながら学科試験に不合格となります。
なお教習所によっては、受かるまで試験を受けさせてくれるケースもあり、受ける場所によって難易度が変化するのです。
落ちるパターンは実技試験での不合格
フォークリフト免許で落ちる人は、学科試験で点数が足らないのではなくて、実技試験で失敗するパターンです。
こちらも、点数が足らなかったら追試となります。
ですが、フォークリフトの運転に適正がないひとは、補講を行ってもなかなかうまくできないことがあり、学科試験より不合格になりやすいです。
操作が危ない人に修了証を渡してしまい、その方が仕事場で事故を起こしてしまったら、教習所の責任が問われてくるためです。
『落ちる人は落ちる』のが、クレーン免許の実技試験の特徴です。
以下の記事では、クレーン免許の実技試験に落ちる人の特徴をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
本記事では、クレーン免許の学科試験について、実際に出題されやすい問題をピックアップしました。
学科試験そのものは、高いレベルの問題が出題されなくて、講義をしっかり聞いておけば、スムーズに合格することができます。
仮に点数が足らなかったとしても、補講と追試があるため、2度チャンスがあります。
また、クレーン免許に落ちる人は、学科試験より実技試験で引っかかるパターンが多いです。
なので、1日目の座学は、学科試験と実技試験の両方をみすえて、受講すると良いです。
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