酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習 PR

【過去問ネタバレ】酸欠・硫化水素作業主任者の試験問題を解説

マンホールで下水道の作業をする作業員
記事内にプロモーションを含む場合があります
  • 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の修了試験で、合格点を取れるか心配
  • どんな問題が出るのか、科目ごとに事前に知っておきたい
  • 講習中に眠くなって、大事なところを聞き逃してしまった

酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の修了試験は、講習で説明された内容から出題されます。

ただし、酸素濃度や硫化水素濃度の数字、体に出る症状、保護具の使い分け、法令の決まりなど、覚えることがとても多いのが特徴です。普段の作業ではあまり意識しない知識も多いため、講習をなんとなく聞いていると点数が取れません。

そこで本ページでは、修了試験の全体像を説明したうえで、4つの科目ごとに出題されやすいポイントをネタバレします。数字は表にまとめ、最後に本番形式の例題も用意しました。

本ページを読み終えるころには、試験で問われるポイントがひと通り頭に入った状態になります。

酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の修了試験の全体像

まずは、修了試験がどのような形で行われるのかを確認しておきましょう。全体像がわかっていると、講習中にどこを重点的に聞けばいいかが見えてきます。

学科試験は4つの科目から出題される

学科の修了試験は、講習で学ぶ4つの科目から出題されます。科目ごとの主な出題内容と難易度は以下のとおりです。

科目 主な出題内容 難易度
酸素欠乏症、硫化水素中毒及び救急そ生に関する知識 酸素濃度ごとの症状、硫化水素の性質と毒性、心肺蘇生の手順 ★★☆
酸素欠乏及び硫化水素の発生の原因及び防止措置に関する知識 酸欠が起きる原因、硫化水素が発生する場所、換気と測定の方法 ★★★
保護具に関する知識 空気呼吸器・送気マスクのしくみ、使えるマスクと使えないマスク ★☆☆
関係法令 酸素欠乏等の定義、作業主任者の職務、記録の保存期間、人員点検 ★★☆

発生の原因と防止措置の科目は、講習時間が長く、出題数も多くなりやすい科目です。一方で保護具の科目は、大原則を押さえておけば確実に点数が取れます。

試験の形式はマークシートの択一式

学科試験は、4つの選択肢から正しいもの(または誤っているもの)を1つ選ぶ択一式が一般的です。問題数や試験時間は講習機関によって異なりますが、1時間ほどで解く形式が多く見られます。

テキストやノートの持ち込みはできないため、講習の内容を頭に入れた状態で試験に臨む必要があります。

合格ラインは「各科目4割以上・全体で6割以上」

合格するには、一般的に科目ごとに4割以上、全体で6割以上の得点が必要です。

注意したいのは、1つの科目でも4割を下回ると、ほかの科目が満点でも不合格になる点です。苦手な科目を捨てる作戦は通用しないので、4科目をまんべんなく対策しましょう。

実技試験もある

学科のほかに、「救急そ生の方法」と「酸素及び硫化水素の濃度の測定方法」の実技講習があり、それぞれ実技の試験が行われます。

心肺蘇生では胸骨圧迫や人工呼吸、AEDの使い方を、濃度測定では測定器の取り扱いを、実際に体を動かして確認されます。

【科目1】酸素欠乏症・硫化水素中毒・救急そ生の過去問ポイント

1つ目の科目では、酸素が足りないときや硫化水素を吸ったときに体に何が起きるのか、そして倒れた人をどう救助するのかが問われます。

酸素濃度ごとに出る症状

大気中の酸素濃度は約21%です。酸素濃度が下がるにつれて、体に出る症状は以下のように重くなっていきます(数値は講習テキストなどで使われる目安です)。

酸素濃度 主な症状
21% 通常の空気
18% 安全の限界。これを下回ると酸素欠乏
16%前後 呼吸や脈拍が速くなる、頭痛、吐き気
12%前後 めまい、筋力が落ちて体を支えられなくなる
10%前後 顔面が青白くなる、意識を失う、嘔吐
8%前後 失神して倒れ、数分で死亡するおそれ
6%以下 ひと呼吸で昏倒し、呼吸が止まる

試験でとくによく問われるのは、酸素濃度がきわめて低い空気は、ひと呼吸吸っただけで意識を失うという点です。マンホールの中をのぞき込んだだけで倒れ、そのまま転落する事故が起きるのはこのためです。

また、酸素欠乏の空気には色も臭いもないため、本人が異常に気づかないまま急に倒れるという特徴も押さえておきましょう。

硫化水素の性質

硫化水素の性質は、出題の定番です。

■無色で、腐った卵のような臭いがする
■空気より重いため、低い場所やくぼみにたまりやすい
■水に溶けやすく、汚水や汚泥をかき混ぜると空気中に一気に放出される
■高濃度になると嗅覚がまひして、臭いを感じなくなる
■可燃性のガスでもある

「臭いがしないから安全」と判断するのは誤りです。高濃度の硫化水素は嗅覚をまひさせるため、臭いに頼らず、必ず測定器で濃度を確認することが正解になります。

硫化水素の濃度と症状の目安

硫化水素は、濃度によって体への影響が大きく変わります。

硫化水素の濃度 主な症状(目安)
10ppm 目の粘膜への刺激が始まる。作業場所はこれ以下に保つ
100〜300ppm前後 嗅覚がまひして臭いを感じなくなる
数百ppm 長く吸うと命にかかわる
700ppm前後以上 短時間で意識を失い、呼吸が止まる

細かい数字まで問われることは多くありませんが、「濃度が上がると嗅覚がまひする」「高濃度では短時間で呼吸が止まる」という流れは理解しておきましょう。

救急そ生(心肺蘇生)の手順

救急そ生では、心肺蘇生の手順と数字が問われます。

■反応がなく、普段どおりの呼吸がなければ、すぐに胸骨圧迫を始める
■胸骨圧迫は1分間に100〜120回のテンポで行う
■押す深さは約5cm(6cmを超えない)
■胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を繰り返す
■AEDが届いたら、すぐに電源を入れて使う

もう1つ大切なのが、救助する人の安全です。倒れた人を助けようとして、救助者がそのまま酸欠の場所に入って倒れる二次災害が多く起きています。救助に入るときは、必ず空気呼吸器などを着用することが正解になります。

酸素欠乏症や硫化水素中毒にかかった人は、回復したように見えても医師の診察や処置を受けさせる必要があることも押さえておきましょう。

【科目2】酸素欠乏・硫化水素の発生原因と防止措置の過去問ポイント

2つ目の科目は、出題数が多くなりやすい重要科目です。「なぜその場所で酸欠になるのか」を原因とセットで覚えておくと、選択肢の正誤が判断しやすくなります。

酸素欠乏が起きる主な原因

原因 具体例
物が酸化して酸素を消費する 鉄のさび、乾性油の塗料の乾燥
生き物が呼吸して酸素を消費する 穀物、野菜、果物、木材チップ、飼料
有機物の腐敗や微生物の働き し尿、汚水、腐泥、パルプ液
ほかのガスに空気が押し出される 窒素やアルゴンなどの不活性ガス、ドライアイス(炭酸ガス)
酸素の少ない空気が流れ込む 地下工事での地層からの酸素欠乏空気の噴出、メタンガスなどの発生

とくに「鉄のさび」と「不活性ガス」はよく出ます。長期間閉めきっていた鋼製のタンクやボイラーの内部では、さびによって酸素が消費されていることがあります。

硫化水素が発生しやすい場所

硫化水素は、微生物が有機物を分解するときに発生します。以下のような場所が代表的です。

■下水道の管やマンホールの内部
■汚水槽、浄化槽、し尿をためたタンク
■パルプ液を入れたタンクや槽
■海水が滞留している暗きょやピット

汚泥の中には硫化水素が溶け込んでいることがあり、かき混ぜたり、ポンプでくみ上げたりした瞬間に一気に発生するという点も問われます。

換気のルール

換気の方法は、防止措置の科目で必ずと言っていいほど出題されます。

■作業中は、酸素濃度を18%以上、硫化水素濃度を10ppm以下に保つように換気する
■換気は作業を始める前だけでなく、作業中も続ける
■換気に純酸素を使ってはいけない

純酸素を使うと、酸素濃度が高くなりすぎて火災や爆発の危険があるためです。換気は新鮮な空気を送り込んで行います。

また、爆発や酸化を防ぐために換気ができない場合は、作業者に空気呼吸器などを使わせることも押さえておきましょう。

濃度測定のルール

濃度の測定方法も、実技とあわせて学科でもよく出題されます。

■その日の作業を始める前に測定する
■作業場所の上・中・下など、複数の点で測定する
■測定は外側から始めて、少しずつ内部へ進める
■測定する人も空気呼吸器などを着用し、転落のおそれがあれば墜落制止用器具を使う

硫化水素は空気より重いので低い場所に、メタンのように空気より軽いガスは高い場所にたまりやすくなります。1か所だけの測定では危険を見落とすため、複数の点で測ることが正解です。

その他の防止措置

このほか、以下の措置も出題されます。

■酸素欠乏危険場所には、関係者以外の立入禁止を表示する
■作業場所に入るときと出るときに人員を点検する
■異常を早く見つけるため、外に監視人を置く
■救出用に、空気呼吸器、はしご、繊維ロープなどを備えておく

▼本番と同じ4択形式で100問を解いておきたい方はこちら

【過去問ネタバレ】酸欠・硫化水素作業主任者の頻出問題100問を解説

【科目3】保護具の過去問ポイント

保護具の科目は、大原則を理解しておけば確実に点数が取れる、得点源の科目です。

使える保護具・使えない保護具

保護具 使えるか 理由
空気呼吸器 使える ボンベの空気を吸うため、周りの空気に左右されない
酸素呼吸器 使える 酸素ボンベなどから酸素を供給するため
送気マスク(ホースマスク・エアラインマスク) 使える 外の新鮮な空気をホースで送るため
防毒マスク 使えない 周りの空気をろ過して吸うしくみのため
防じんマスク 使えない 粉じんを取り除くだけで、酸素は増えないため

防毒マスクや防じんマスクは、周りの空気をろ過して吸うしくみです。周りの空気に酸素が足りなければ、ろ過しても酸素は増えません。この理屈を理解しておけば、ひっかけ問題でも迷わずに答えられます。

空気呼吸器・送気マスクを使うときの注意点

■作業を始める前に、保護具に異常がないかを点検する
■空気呼吸器はボンベの残りの圧力を確認し、使える時間を把握しておく
■送気マスクは、ホースが折れたり、踏まれたりしないように管理する
■送気マスクの取り入れ口は、汚れた空気や排気ガスを吸い込まない場所に置く

送気マスクのホースが折れると、空気が届かなくなって作業者が窒息するおそれがあります。ホースの管理は、作業主任者が監視する大切なポイントです。

【科目4】関係法令の過去問ポイント

関係法令の科目では、主に酸素欠乏症等防止規則(酸欠則)から出題されます。条文の言い回しや数字がそのまま問われるので、正確に覚えましょう。

酸素欠乏と硫化水素の定義

法令の科目で、もっともよく出題される数字です。

■酸素欠乏とは、空気中の酸素濃度が18%未満である状態
■硫化水素中毒の危険があるのは、硫化水素濃度が10ppmを超える状態

「18%以下」「10ppm以上」のように、未満・以下・超える・以上をすり替えたひっかけ問題がよく出ます。言葉の細かい違いまで正確に覚えておきましょう。

第一種と第二種の酸素欠乏危険作業

酸素欠乏危険作業は、第一種と第二種に分かれています。

■第一種:酸素欠乏症のおそれがある場所での作業
■第二種:酸素欠乏症に加えて、硫化水素中毒のおそれもある場所での作業(下水道、汚水槽、パルプ液のタンクなど)
■第二種の作業の作業主任者は、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者から選ぶ

「パルプ液を入れたことのある槽の内部の作業は、酸素欠乏危険作業主任者技能講習(第一種)の修了者から選べばよい」という選択肢は誤りです。第二種の作業にあたるため、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者が必要です。

作業主任者の職務

作業主任者が行うべき仕事は、ほぼ毎回出題されます。

■作業の方法を決めて、作業者を指揮する
■作業を始める前、全員がいったん作業場所を離れたあとに再開する前、作業者の体や換気装置に異常があったときに、濃度を測定する
■測定器具、換気装置、空気呼吸器などを点検する
■空気呼吸器などの使用状況を監視する

覚えておきたい数字とルールの一覧

試験直前に見直せるように、法令でよく出る数字とルールを表にまとめました。

項目 覚えること
酸素欠乏 酸素濃度18%未満
硫化水素 10ppmを超えると危険。作業中は10ppm以下に保つ
測定のタイミング その日の作業を始める前など
測定記録の保存期間 3年間
人員点検 作業場所に入るときと出るとき
換気に使ってはいけないもの 純酸素
事故が起きたときの報告先 所轄の労働基準監督署長
作業者への教育 作業に就く前に特別教育を行う

本番形式の例題で確認しよう

ここまでの内容を、本番と同じ4択の形式で確認してみましょう。本ページ用に作成したオリジナルの例題です。

例題1 酸素欠乏症等防止規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)酸素欠乏とは、空気中の酸素の濃度が18%未満である状態をいう。
(2)酸素及び硫化水素の濃度の測定記録は、3年間保存しなければならない。
(3)酸素欠乏危険作業を行う場所の換気には、純酸素を使用しなければならない。
(4)作業場所に労働者を入場させ、退場させるときは、人員を点検しなければならない。

正解:(3)
換気に純酸素を使ってはいけません。酸素濃度が高くなりすぎて、火災や爆発の危険があるためです。

例題2 硫化水素に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)硫化水素は空気より軽いため、高い場所にたまりやすい。
(2)硫化水素は水に溶けにくいため、汚水をかき混ぜても発生しない。
(3)硫化水素は高濃度になると嗅覚がまひし、臭いを感じなくなる。
(4)硫化水素の臭いがしなければ、作業場所は安全と判断してよい。

正解:(3)
硫化水素は空気より重く、水に溶けやすい性質があります。高濃度では嗅覚がまひするため、臭いで安全を判断してはいけません。

例題3 酸素欠乏危険場所で使用する保護具として、適切でないものはどれか。

(1)空気呼吸器
(2)送気マスク
(3)酸素呼吸器
(4)防毒マスク

正解:(4)
防毒マスクは周りの空気をろ過するしくみのため、酸素が足りない場所では使えません。

ひっかけ問題の3つのパターン

修了試験で点数を落としやすいのは、知識が足りないときよりも、問題文の読み違いをしたときです。よくあるパターンを3つ紹介します。

「未満」と「以下」のすり替え

「18%未満」が「18%以下」に、「10ppmを超える」が「10ppm以上」に変えられている選択肢です。数字だけでなく、その後ろの言葉まで確認しましょう。

「正しいもの」と「誤っているもの」の読み違い

「誤っているものを選べ」という問題で、正しい選択肢を選んでしまうミスはとても多いです。問題文の「正しいもの」「誤っているもの」に線を引いてから、選択肢を読むようにしましょう。

「〜だけでよい」「必ず〜」などの言い切り

「作業開始前に一度測定すればよい」「臭いがしなければ測定は不要」のように、条件を少なくしたり言い切ったりしている選択肢は、誤りであることが多いです。

まとめ

酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の修了試験は、講習で説明されたことがそのまま出題されます。

とくに「18%未満」「10ppm」「3年」といった数字と、「防毒マスクは使えない」「純酸素で換気しない」「救助者も空気呼吸器を着ける」といった定番のルールは、毎回のように出題されます。

本ページの内容を押さえたうえで、本番と同じ形式の問題を繰り返し解いておけば、一発合格に大きく近づけます。

●こんな記事も読まれています