玉掛け技能講習を受ける予定があり、試験の流れや1回で合格するための方法を知りたい人向けです。
『実技試験に落ちないか不安』
『学科試験で点数を取れない気がする』
『試験のおおまかな流れを知りたい』
上記の方にたいして、実際に試験を受講して合格した4人の方の体験談をまとめました。
さらに、合格するために気をつけた点についてもインタビューしています。
本記事を読むことで、1日の試験の流れから、試験で不合格にならない方法まで理解できます。
合格するために気をつけた点|受講した体験談
1つ1つの指示を丁寧に行ったAさん
筆記試験では、口頭で説明された重要ポイントを教科書にマークしたり、載ってないものはメモをとっておき、その箇所を覚える事で合格点を取る事ができます。
問題は選択式なので、消去法で正しい答えを選んだり似たような問題も出てくるので、前後の問題から照らし合わせて答えを出すという事もできます。
実技試験では、ホイッスルを吹きながらクレーンの動きを指示する試験が行われますが、3人グループになりクレーンへの指示者と作業補助2人で行います。
上下、移動、停止、終了などのさまざまな手信号の種類を覚える事、バンドのセット後などの指差呼称が必要な点を暗記する事が大事です。
速く動作を行うなど急ぐ必要もないので、丁寧に1つ1つの指示を行いながら最後まで作業を行いました。
また、補助の時は2人でバンドの端を持ち広げて指示者に破損がないかチェックをしてもらうことを忘れないようにしました。
荷物の重心をよく確認したBさん
まず玉掛けをする荷物の重心がどこになるのかを意識するようにしました。
吊り上げ時に大きく傾くと危険ですし、かなりの減点にもなります。
また、意外と見落としがちになりやすいのが、荷物にかけるスリングのねじれ・ずれです。
荷物の下を通したときにねじれてしまったり、ずれて斜めにかかってしまうことがあるので、吊り上げる前に地切り(クレーンでほんの少しだけ荷物を浮かせて、安全に運べるかどうかを確認する作業のこと)を忘れず、入念に確認しました。
運んでいる最中にトラブルが起きてはいけないので、特に注意しました。
最後に、クレーン作業者にはっきりとわかるように手で合図を出さないといけないので、試験前に改めてあやふやなところを再確認しました。
特に、クレーンを巻き上げ下げするときと、わずかに巻き上げ下げしたいときの動作はほとんど一緒(小指を立てているかどうか)なので、作業者にはっきり動作が見えるよう心掛けました。
また、荷物の移動中も自分の指示がはっきり作業者に見えて、かつ荷下ろし先の状況がわかるような位置に立って指示を行いました。
安全第一を基本に行ったCさん
学科も実技も1日ずつと非常に短時間であったこともあり、講師陣がポイントを押さえた講義をしていただいたおかげで、大きな苦労をすることなく合格することができました。
そのうえで気を付けた点は、学科では講師が「ここポイントですよ」というところはマーカーをする、付箋を貼るなどして確実に押さえるようにしました。
休憩時間や学科の終了後などにはそこを見返すようにして、忘れることがないように気を付けました。
ただ、どうしても専門用語など聞きなれない言葉は覚えづらいので、そのような言葉をさらにピックアップし覚えるようにしました。
実技ではまずは「安全第一」を基本に行いました。
玉掛けに限らず技能講習では不安全行動が一番のマイナス点となり、不合格になってしまいます。
それに玉掛けはクレーン操作者への指示・合図を行う必要があることから、合図の内容を間違えない、わかりやすくはっきりと大きく行うことを気を付けました。
ただ、手順を間違えることもあるので、その場合には落ち着いていったん手順を最初からやり直すなどして、基本通り・安全第一となるように気を付けて行いました。
大きな動作と声で合図したDさん
学科では、最後にテキストの内容が理解できているかの試験がありました。
学習するボリュームが多く、後からすべてを理解しようとするのは大変なので基本的にはその場で理解することを心がけました。
時々、講師の方が質疑応答の場を設けてくれたため、疑問点はその場で解決するようにしました。
また休憩時間には、学んだ内容を読み返して復習を行いました。
実技では、クレーンのオペレータへの合図を理解し、吊荷の玉掛け作業を行い、正しい位置へ誘導していくことが求められました。
そのため、遠くからでも見えるような大きな動作で合図をすることを意識しました。
さらに吊荷の重心位置がずれてしまうと、吊荷を移動させる際に、回転してしまったり傾いてしまったりして危険な作業になってしまうので、正しい玉掛け位置を考慮するようにしました。
実技で忘れがちなのは、玉掛後の玉掛者の退避だと教えていただきました。
重量物の近くにいると、接触してしまう危険性もありますし、万が一吊荷が落下してしまった場合は死亡事故を引き起こしてしまうため大変危険です。
玉掛け実践中は、常に吊荷との距離を意識し、自分自身が正しい位置へ退避することを心がけました。
玉掛け技能講習を受講した感想
実技は何度も繰り返し練習できるので安心|Aさん談
会社での作業でこの技能が必要となるので受講させていただきました。
金銭的にも高額で、朝から夕方までかかる講習が数日続くものを、会社負担で受講させていただけたのはありがたかったです。
私の受講会場は、居住している県内の職業訓練校で近場で通うのが楽でしたが、地域によっては受講できる場所が不便なところもあり大変そうです。
講習では、教科書テキストとDVDでの映像での講義と実際に玉掛けを行う実技を受け勉強になりました。
講義の方では、人やモノなどの大事故になった災害事例等の危険な箇所にも触れたり、フックのかけ方、適切な素材、重心など様々な作業の注意点について重点的に教えてくれる講義だったので参考になりました。
実技の方については、クレーンの指示や資材へのフックのかけ方等の作業を何度も練習させていただけたので、試験のときに緊張をあまりせずスムーズに行う事ができました。
油断すると不合格になる印象を持ったBさん
まず玉掛けをする荷物の重心がどこになるのかを意識するようにしました。
吊り上げ時に大きく傾くと危険ですし、かなりの減点にもなります。
また、意外と見落としがちになりやすいのが、荷物にかけるスリングのねじれ・ずれです。
荷物の下を通したときにねじれてしまったり、ずれて斜めにかかってしまうことがあるので、吊り上げる前に地切り(クレーンでほんの少しだけ荷物を浮かせて、安全に運べるかどうかを確認する作業のこと)を忘れず、入念に確認しました。
運んでいる最中にトラブルが起きてはいけないので、特に注意しました。
ここで問題に気付いて玉掛けをやり直しても減点にはならないので、入念に作業しました。
最後に、クレーン作業者にはっきりとわかるように手で合図を出さないといけないので、試験前に改めてあやふやなところを再確認しました。
特に、クレーンを巻き上げ下げするときと、わずかに巻き上げ下げしたいときの動作はほとんど一緒(小指を立てているかどうか)なので、作業者にはっきり動作が見えるよう心掛けました。
また、荷物の移動中も自分の指示がはっきり作業者に見えて、かつ荷下ろし先の状況がわかるような位置に立って指示を行いました。
チームのコミュニケーションを大事にしたCさん
学科1日、実技1日の計二日間の講習でしたが、学校卒業以来となる机に座ったままの本格的な学科、それに周りは誰も知らないとあって、不安しかありませんでした。
それに内容も力学的なものから法律、クレーンの種類・名称など多岐にわたったため、さらに不安になりました。
しかし、そこは講師陣も慣れたもので、しっかりとわかりやすく講義をしていただき、テキストだけではなく映像教材も混ぜ合わせながらの講習で、非常に理解しやすかったことを覚えています。
実技講習では安全を第一に作業することをまずは教えられました。
それと、数人が1チームとなって講習となるので、お互いのコミュニケーションも大切に行いました。
初めての作業に、普段と違う作業環境と条件は良くありませんが、繰り返し練習することで無事に合格することができました。
合図の重要性を再認識したDさん
玉掛け方法を学び、正しく安全に行うことは、建設現場において大変重要になります。
誤った玉掛け方法で行えば、最悪の場合には作業員や第三者を巻き込んだ死亡事故につながります。
そのため、正しい玉掛け方法をきちんと理解しなければいけませんが、玉掛けについての知識を得ることは、同時にクレーンに関する知識を学ぶことや法律に関して理解することもできるので、安全面について多くを学ぶことができました。
学科講習では玉掛けをする荷の形状、重さはそれぞれ異なるので、そのものに合った玉掛け方法を一通り学びました。
実技では学科講習でテキストに沿って学んだ内容に沿って、自分の手足などの寸法をもとに質量目測を行い、吊荷の質量を求めてワイヤーロープを選定し、実際に現場で行う一連の流れを行うことができました。
建設現場においては重量物を扱うことが多いため、玉掛け技能講習を受講をして、改めて安全面で気をつけなければならないと気づかされることがたくさんありました。
合図の重要さやクレーンに関する知識については、持っていなければ安全な玉掛け作業ができないと感じました。
まとめ
合格するために気をつけた点として、受講者に共通しているのは、合図をしっかり行い注意深く試験をすすめたことです。
試験の時間には、大きな余裕があるため、あわて過ぎる必要がありません。
全体の印象としては、ていねいな講義が多く、玉掛けについての基本を学ぶことができると感じた人が多いですね。
また、合格率が高い試験ではありますが、たかをくくっていると、落ちる人は落ちる試験であるともいえます。