特定化学物質作業主任者技能講習 PR

【過去問ネタバレ】特定化学物質作業主任者の試験問題を解説

防護服と防毒マスクを着用した作業者
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  • 特定化学物質作業主任者の修了試験で、合格点を取れるか心配
  • 物質の名前や数字が多すぎて、どこが試験に出るのかわからない
  • 講習中に眠くなって、大事なところを聞き逃してしまった

特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者(以下、特定化学物質作業主任者)の修了試験は、講習で説明された内容から出題されます。

ただし、扱う化学物質の種類がとても多く、物質ごとの健康障害、局所排気装置のしくみ、保護具の使い分け、測定や健康診断の頻度と記録の保存期間など、覚えることの量はほかの作業主任者講習と比べても多い部類です。

そこで本ページでは、修了試験の全体像を説明したうえで、4つの科目ごとに出題されやすいポイントをネタバレします。

物質と健康障害の組み合わせや、頻度・保存期間の数字は表にまとめ、最後に本番形式の例題も用意しました。

特定化学物質作業主任者の修了試験の全体像

まずは、修了試験がどのような形で行われるのかを確認しておきましょう。

学科試験は4つの科目から出題される

特定化学物質作業主任者の技能講習は学科だけで、実技はありません。講習の科目と時間、主な出題内容は以下のとおりです。

科目 講習時間 主な出題内容
健康障害及びその予防措置に関する知識 4時間 物質ごとの健康障害、がんを起こす物質、健康診断
作業環境の改善方法に関する知識 4時間 物質の性質、局所排気装置、プッシュプル型換気装置、作業環境測定
保護具に関する知識 2時間 防毒マスクの吸収缶、防じんマスク、送気マスク、保護衣・手袋
関係法令 2時間 物質の分類、作業主任者の職務、点検・測定・健診の頻度と記録の保存期間

健康障害と作業環境の改善の2科目は講習時間が長く、出題数も多くなりやすい科目です。

講習時間の配分を見ると、健康障害と作業環境の改善の2科目で、講習全体の3分の2を占めています。

この2科目でしっかり点数を取ることが、合格への近道です。

一方で、講習時間の短い保護具と関係法令も、1科目でも4割を下回ると不合格になるので油断はできません。

試験の形式と合格ライン

修了試験は講習の最後に1時間ほどで行われ、4つの選択肢から正しいもの(または誤っているもの)を1つ選ぶ択一式が一般的です。

テキストの持ち込みはできません。

合格するには、一般的に科目ごとに4割以上、全体で6割以上の得点が必要です。

1つの科目でも4割を下回ると、ほかの科目が満点でも不合格になるため、4科目をまんべんなく対策しましょう。

たとえば各科目10問ずつ、全部で40問が出題される場合は、1科目につき4問以上、全体で24問以上の正解が必要という計算になります。

問題数や配点は講習機関によって異なるので、あくまで目安として考えてください。

【科目1】健康障害及びその予防措置の過去問ポイント

もっとも覚える量が多い科目です。すべての物質を覚えるのは大変なので、試験によく出る「物質と健康障害の組み合わせ」から押さえましょう。

物質と健康障害の組み合わせ

物質 主な健康障害
ベンゼン 造血器の障害(再生不良性貧血)、白血病
塩化ビニル 肝血管肉腫(肝臓のがん)
クロム酸・重クロム酸 鼻中隔穿孔(鼻の仕切りに穴があく)、肺がん
カドミウム 腎臓の障害、肺気腫
水銀 手指のふるえ、精神症状(いらいら・不眠など)
マンガン・溶接ヒューム パーキンソン病に似た神経障害
シアン化水素 細胞が酸素を使えなくなり、急速に窒息状態になる
弗化水素 骨の硬化、皮膚の潰瘍
ベリリウム ベリリウム肺(肺の慢性疾患)
コールタール 皮膚がん
オーラミン・マゼンタ 膀胱がん
一酸化炭素 血液中のヘモグロビンと結びつき、酸素が運べなくなる

試験では「物質名」と「健康障害」の組み合わせを入れ替えたひっかけ問題がよく出ます。

とくにベンゼン=造血器障害、塩化ビニル=肝血管肉腫、クロム酸=鼻中隔穿孔の3つは定番です。

覚えるときは、体の部位ごとにまとめると記憶に残りやすくなります。

■血液:ベンゼン、一酸化炭素
■肝臓:塩化ビニル
■腎臓:カドミウム
■神経:水銀、マンガン・溶接ヒューム
■鼻:クロム酸
■膀胱:オーラミン・マゼンタ
■皮膚:コールタール

急性中毒と慢性中毒の違い

■急性中毒:高い濃度の物質を短い時間に吸い込んで起きる。一酸化炭素、シアン化水素、塩素などのガスで起きやすい
■慢性中毒:低い濃度でも長い期間さらされ続けて起きる。重金属や発がん性の物質で問題になる

がんは、物質にさらされてから何年、何十年もたってから発症することがあります。

そのため、発がん性のある物質は記録を長く保存するルールになっています(関係法令の科目で説明します)。

この違いは、法令の科目にも関係します。

第3類物質は「大量に漏れたときの急性中毒」が問題になる物質で、第1類・第2類物質は「長くさらされることによる慢性の障害やがん」が問題になる物質です。

分類とセットで覚えておくと、両方の科目で役立ちます。

体に入る経路

化学物質が体に入る経路は、主に呼吸(吸入)、皮膚、口の3つです。

作業現場でもっとも多いのは呼吸による吸入ですが、皮膚からも吸収される物質がある点もよく問われます。

そのため、保護具はマスクだけでなく、保護手袋や保護衣も必要になります。

口から入るのを防ぐために、作業場での喫煙や飲食が禁止されていることもよく出題されます。

汚れた手で顔を触らない、作業が終わったら手を洗うといった基本の行動も、健康障害を防ぐための大切な対策です。

健康診断のポイント

■特定化学物質を扱う作業者には、雇い入れ時、配置替え時、その後は6か月以内ごとに1回特殊健康診断を行う
■健康診断の記録は5年間保存する(特別管理物質は30年間)
■物質が漏れて作業者が汚染されたときは、速やかに医師の診察や処置を受けさせる

特殊健康診断は、一般の健康診断とは別に行うものです。

物質ごとに検査の項目が決められていて、その物質による健康障害を早く見つけることが目的です。

また、特殊健康診断の結果は、所轄の労働基準監督署長に報告することになっています。

【科目2】作業環境の改善方法の過去問ポイント

作業場の空気をきれいに保つための設備と、物質の性質が問われる科目です。

作業環境を改善する方法の優先順位

作業環境の改善は、以下の順番で考えるのが基本です。

■① 有害な物質を、より有害性の低い物質に代える(代替)
■② 作業工程を密閉する、自動化する
■③ 局所排気装置やプッシュプル型換気装置で、発生源から取り除く
■④ 全体換気を行う
■⑤ 最後の手段として、保護具を使う

「保護具をつければ設備は不要」という選択肢は誤りです。保護具は、設備で対策しきれない部分を補うものと考えます。

この順番は、「効果が高く、作業者に頼らない対策から先に考える」という意味です。

保護具は、正しく着けていなければ効果がなく、作業者の負担にもなります。

そのため、設備で対策しきれない部分を補う最後の手段と位置づけられています。

局所排気装置のしくみ

局所排気装置は、フード、ダクト、空気清浄装置、ファン(排風機)、排気口でできています。試験では、とくにフードの種類がよく出ます。

フードの型式 特徴
囲い式 発生源を囲み込む。もっとも効果が高い
外付け式 発生源の外側から吸い込む。発生源から離れるほど効果が落ちる
レシーバー式 熱で上がる気流など、発生源から飛んでくる流れを受け止める

■外付け式のフードは、発生源にできるだけ近づける
■ダクトは、細すぎたり曲がりが多かったりすると、吸い込む力が落ちる
■空気清浄装置はファンの前(吸い込み側)に置き、清浄にした空気がファンを通るようにする
■排気口は屋外に出す

それぞれの役割は、以下のとおりです。

フードは有害物質を吸い込む入口、ダクトは空気の通り道、空気清浄装置は有害物質を取り除く装置、ファンは空気を吸い込むための動力、排気口はきれいにした空気を外に出す出口です。

部品の名前と役割をセットで覚えておくと、装置のしくみを問う問題に答えやすくなります。

制御風速の数字

局所排気装置には、物質を確実に吸い込むための「制御風速」が決められています。

物質の状態 制御風速
ガス状 0.5m/秒
粒子状(粉じん・ヒュームなど) 1.0m/秒

制御風速とは、フードの外にある有害物質を、フードの中に吸い込むために必要な空気の速さのことです。

粒子状の物質はガスより重く、勢いよく飛び散ることもあるため、より速い風速が必要になります。

「粒子のほうが速い」と理由とセットで覚えておけば、数字を取り違えにくくなります。

プッシュプル型換気装置

一方から空気を吹き出し(プッシュ)、反対側で吸い込む(プル)ことで、作業場の空気の流れを一方向にそろえて有害物質を取り除く装置です。

発生源が広い範囲にあって、局所排気装置ではカバーしきれない作業に使われます。

プッシュプル型換気装置も、局所排気装置と同じく、作業主任者による点検や定期自主検査の対象になります。

作業環境測定

■第1類・第2類の物質を扱う屋内作業場では、6か月以内ごとに1回作業環境測定を行う
■測定の記録は3年間保存する(特別管理物質は30年間)
■測定結果をもとに、作業場は第1管理区分〜第3管理区分に分けられ、第3管理区分は直ちに改善が必要

管理区分の意味は、以下のとおりです。

第1管理区分は作業環境が適切な状態、第2管理区分はなお改善の余地がある状態、第3管理区分は適切でない状態を表します。

第3管理区分になった場合は、直ちに設備や作業方法を見直し、改善するまでの間は作業者に有効な呼吸用保護具を使わせる必要があります。

▼本番と同じ4択形式で100問を解いておきたい方はこちら

【過去問ネタバレ】特定化学物質作業主任者の頻出問題100問を解説

【科目3】保護具の過去問ポイント

保護具の科目は講習時間が短い一方、出題のパターンが決まっているので、得点源にしやすい科目です。

防毒マスクの吸収缶の色

防毒マスクの吸収缶は、対象のガスによって色が決まっています。試験では色と対象ガスの組み合わせがよく問われます。

吸収缶の種類 色
有機ガス用 黒
一酸化炭素用 赤
アンモニア用 緑
亜硫酸ガス用 黄赤
ハロゲンガス用 灰と黒
硫化水素用 黄
シアン化水素用 青

吸収缶の色は、側面に塗られていて、ひと目で種類がわかるようになっています。

対象と違う吸収缶を使うと、有害なガスをまったく防げないことがあります。作業の前に、扱うガスと吸収缶の種類が合っているかを必ず確認しましょう。

防毒マスクを使えない場面

■酸素濃度が18%未満の場所では、防毒マスクは使えない
■有害ガスの濃度がわからない場所や、濃度が高すぎる場所でも使えない
■このような場所では、空気呼吸器や送気マスクを使う

防毒マスクは周りの空気をろ過して吸うしくみなので、酸素が足りない場所では役に立ちません。酸素欠乏の講習と共通する大原則です。

吸収缶の交換と点検

■吸収缶には、ガスを吸収できる限界(破過)がある
■使用時間を記録し、限界を超える前に交換する
■においを感じたら、すぐに作業場所を離れて交換する
■使用前に、面体の傷やしめひもの状態、排気弁の働きを点検する

破過とは、吸収缶がガスを吸収しきれなくなり、ガスがそのまま通り抜け始める状態のことです。

破過までの時間は、ガスの濃度や湿度、作業の激しさによって変わります。

においで気づくのを待つのではなく、使用時間を管理して早めに交換することが大切です。

防じんマスクと保護衣

粉じんやヒュームには防じんマスクを使いますが、ガスや蒸気は防じんマスクでは防げません。

また、皮膚から吸収される物質を扱うときは、物質が通り抜けにくい材質の保護手袋や保護衣を選ぶ必要があります。

防じんマスクは、ろ過材が目詰まりすると息がしにくくなり、顔とマスクのすき間から粉じんを吸い込みやすくなります。

ろ過材は定期的に交換しましょう。

【科目4】関係法令の過去問ポイント

関係法令の科目では、主に特定化学物質障害予防規則(特化則)から出題されます。

特定化学物質の分類

分類 特徴 物質の例
第1類物質 がんなど重い健康障害を起こすおそれが高く、製造に厚生労働大臣の許可が必要 ジクロルベンジジン、PCB(塩素化ビフェニル)、ベリリウム
第2類物質 がんや慢性の健康障害を起こすおそれがある ベンゼン、塩化ビニル、クロム酸、ホルムアルデヒド、溶接ヒューム
第3類物質 大量に漏れると急性中毒を起こす アンモニア、一酸化炭素、塩化水素、硫酸

第3類物質は、大量に漏れたときの急性中毒が問題になる物質です。

そのため、作業環境測定や特殊健康診断の対象にはなっていないことも押さえておきましょう。

第1類物質は製造に「許可」が必要という点がよく問われます。「届出」や「認可」と言い換えた選択肢に注意しましょう。

特別管理物質

がんを起こすおそれがある物質の一部は「特別管理物質」とされ、以下のような特別なルールがあります。

■作業場に、物質の名前や体への影響、取り扱いの注意を掲示する
■作業の記録(作業者の名前、作業の概要、汚染されたときの措置など)を作る
■作業記録、作業環境測定の記録、健康診断の記録は30年間保存する

がんは何十年もたってから発症することがあるため、記録を長く残しておく必要があるのです。

作業主任者の職務

■作業者が物質で汚染されたり、吸い込んだりしないように、作業方法を決めて指揮する
■局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置などを1か月を超えない期間ごとに点検する
■保護具の使用状況を監視する

作業主任者は、作業者に指示を出すだけでなく、設備や保護具が正しく働いているかを自分の目で確かめる役割があります。

「定期自主検査(1年以内ごと)」と「作業主任者の点検(1か月を超えない期間ごと)」は別のものなので、混同しないように注意しましょう。

頻度と記録の保存期間の一覧

試験直前に見直せるように、法令でよく出る数字を表にまとめました。

項目 頻度 記録の保存
作業主任者による設備の点検 1か月を超えない期間ごと -
局所排気装置などの定期自主検査 1年以内ごとに1回 3年間
作業環境測定 6か月以内ごとに1回 3年間(特別管理物質は30年間)
特殊健康診断 6か月以内ごとに1回 5年間(特別管理物質は30年間)
特別管理物質の作業記録 - 30年間

その他によく出るルール

  • 特定化学物質を扱う作業場では、喫煙や飲食を禁止し、その旨を掲示する
  • 床は、水で洗える不浸透性の材料にする
  • 関係者以外の立ち入りを禁止する
  • 第3類物質などが大量に漏れたときは、作業者を退避させる
  • 洗眼、洗身、うがい、更衣などのための洗浄設備を設ける

本番形式の例題で確認しよう

ここまでの内容を、本番と同じ4択の形式で確認してみましょう。本ページ用に作成したオリジナルの例題です。

例題1 化学物質とその主な健康障害の組み合わせとして、誤っているものはどれか。

(1)ベンゼン ― 造血器障害
(2)塩化ビニル ― 肝血管肉腫
(3)クロム酸 ― 鼻中隔穿孔
(4)カドミウム ― 皮膚がん

正解:(4)
カドミウムの代表的な健康障害は腎臓の障害です。皮膚がんはコールタールなどで問われる組み合わせです。

例題2 局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)フードの型式のうち、外付け式はもっとも排気の効果が高い。
(2)外付け式のフードは、発生源からできるだけ離して設ける。
(3)ガス状の物質に対する制御風速は、0.5m/秒である。
(4)ダクトは、曲がりが多いほど吸い込む力が強くなる。

正解:(3)
もっとも効果が高いのは囲い式です。外付け式のフードは発生源に近づけ、ダクトの曲がりは少なくします。

例題3 特定化学物質障害予防規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)局所排気装置は、1年以内ごとに1回、定期自主検査を行う。
(2)特別管理物質に係る作業の記録は、30年間保存する。
(3)作業主任者は、局所排気装置を1か月を超えない期間ごとに点検する。
(4)第3類物質を扱う屋内作業場では、6か月以内ごとに1回、作業環境測定を行う。

正解:(4)
作業環境測定の対象は、第1類物質と第2類物質を扱う屋内作業場です。第3類物質は対象になっていません。

ひっかけ問題の3つのパターン

物質と健康障害の入れ替え

「ベンゼン ― 肝血管肉腫」のように、ほかの物質の健康障害と入れ替えた選択肢です。表の組み合わせを正確に覚えておけば見抜けます。

頻度と保存期間の入れ替え

「作業環境測定は1年以内ごとに1回」「健康診断の記録は3年間保存」のように、ほかの項目の数字と入れ替えた選択肢です。

頻度と保存期間はセットで覚えましょう。

「正しいもの」と「誤っているもの」の読み違い

問題文の「正しいもの」「誤っているもの」に線を引いてから選択肢を読むクセをつけると、うっかりミスを防げます。

まとめ

特定化学物質作業主任者の修了試験は、講習で説明されたことがそのまま出題されます。

とくに「物質と健康障害の組み合わせ」「囲い式がもっとも効果が高い」「吸収缶の色」「6か月・1年・3年・5年・30年の数字」は、毎回のように出題される定番です。

本ページの内容を押さえたうえで、本番と同じ形式の問題を繰り返し解いておけば、一発合格に大きく近づけます。

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